2012年6月19日火曜日

長濱浪漫ビール①


想古亭から奥琵琶湖パークウェイを経て、最後の目的地は
長浜にある『長濱浪漫ビール』です。


13年くらい前、私は京都・北白川の結婚式場で働いていたのですが、
その式場の隣に、「リカーマウンテン」という酒屋さんがありました。
量販店と、ビールの醸造所と、レストランが一体になったようなお店で、
結婚式のあとの会食会場として提携していたこともあり、
また、職場の隣ということもあり、しばしば訪れていたものでした。

(お店そのものはまだあるのですが、ビールの醸造とレストランは
10年くらい前にやめてしまったようです)


当時、仲間や上司と頻繁に訪れたそのお店では、
「白川麦酒」という地ビールの醸造を行っていました。
それを作っていたのは私と同世代の男性で、
なんでもドイツで修行を積んできた、という方でした。

そのビールは、このうえなくフルーティで、私がこれまでに飲んだ
あらゆるビールの中で、文句なく最上のものでした。
自分と同世代の人が、かくも美味しいものを作れる、
私が心から感動できるものを作れる、ということに、
私は深い感銘を受けました。

職人ならではの鋭い味覚をお持ちだったからでしょうか、
生産のロットごとに、あるいは時期によって、
味は微妙に異なるようで、
『今回のは特に美味しいよ』とか
『今すごく美味しいので、試してみて』とか
説明してくれることも、よくありました。

生産者が目の前にいる、それも知っている人である、
そういう状況で飲む、「白川麦酒」は、本当に素晴らしいものでした。


しかし、先に書いたように、
レストラン部門と醸造部門はなくなってしまいました。
詳しい事情はわかりませんが、とっても残念です。
思い出による美化、というある種の醸造を経て、
私の中で、白川麦酒への思いは募るばかりでした。


白川麦酒はなくなったものの、リカーマウンテンでは
いわゆる地ビールとして、その他いくつかの種類のビールを
作っていることは知っていました。
また、それらが長浜でだけ作られていて、
そこに行けば、作りたての地ビールが飲めるらしい、ということも
人づてに聞いて、知っていました。

いつか時間ができたら飲みに行こう、と
ぼんやり心に思いはありました。

そして、10年近くが過ぎたある日、
木ノ本にうなぎを食べに行くことになりました。
ついに、長浜に行く時が来たのです。

白川麦酒はもうないので、片手落ちなのですが、
少なくとも白川麦酒を作っていた会社が作る地ビールですから、
そりゃあもう期待も膨らみます。
そして訪れたお店が、『長濱浪漫ビール』です。

(つづく)

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